2018年07月14日

最近読んだ新選組が登場する物語


新選組の隊士たちが登場する
お話をご紹介しますね。


月華の神剣 壬生狼慕情 (角川文庫) [ 牧 秀彦 ]


このお話の主人公は新選組ではありません。
日光東照宮の近くにある村の社の
宮司の息子・信吾という青年です


まずは目次から
序 章 常勝の御太刀
第一章 大将志願
第二章 本庄異変
第三章 信吾未熟なり
第四章 朱に交わりて
終 章 池田屋の朝


その村は、日光東照宮の近くにあるというものの、
脇道をかなり歩かないとたどりつけないため、
よそ者はめったに入ってこない場所でした。


しかし近年、その場所に
武士の姿を見ることが多くなったのです。


じつは、その社には「常勝の御太刀」という
伝説の刀があるらしい、との噂がありました。


「常勝の御太刀」とは、
その刀を持つことで天下を制することができる、
あるいはそれに等しい誉れを得ることができる
という刀です。


今までにも源義経や足利尊氏、
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などが
手にしたと云われているものでした。


その刀を手に入れて、
天下を我が物にしようとする侍たちが
この地にやってきたのです。


「常勝の御太刀」を隠しておくだけなら、
神主もいちいち、侍達に
会うこともありませんでした。


しかし、徳川の天下が危ういことを感じ、
新たに、この刀を託す人物を探していたため、
侍達に会うのもやむなしと、
思っていたのでした。


そんな時、事件が勃発します。信吾の留守中に、
ある人物に命令された男たちが、
この社にやってきます。


そして、刀が手に入らないとみると
神主を殺し、社に火をつけたのです。


男達が去った後、帰ってきた信吾に
瀕死の父が告げます。御太刀を託す者を探せと。
その為にまずは京へ行けと、そう言って
息を引き取ります。


そうして、父の遺言の通り、
京を目指す信吾でしたが、
その途中、江戸で近藤や土方に出会うのです
しばし試衛館に厄介になる信吾。


実は近藤勇達、試衛館の面々は
この春、京都に行くといいます。
将軍様の警護に行くのですが、
信吾もその一行に加わればいいと
近藤達に誘われるのです。


その一行の首謀者清河八郎を
信吾は知っていました。
御太刀を持っていることを知っている清河、
他にも御太刀を狙う者が次々と現れます。


信吾は御太刀を守り通せるのか?
京に着いた信吾を待ち受ける者は?


今のところ続編は出ていないようですが、
まだまだ続く気配の物語です。

月華の神剣 壬生狼慕情 (角川文庫) [ 牧 秀彦 ]


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posted by ルンちゃん at 17:18| Comment(2) | 新選組の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月18日

沖田総司になった理由

チョッと前に読んだ小説ですが、
タイトルだけだと新選組本とは
わかりませんでしたね。


でも2巻目の表紙を見て、
新選組本だよねってわかりましたよ。


「ただの少年は、
 いかにして沖田総司になったのか」


1巻の帯にある
その言葉が妙に気になって、
購入することにしました

月下におくる(上) (下) 
沖田総司青春録 (講談社文庫) [ 堀川 アサコ ]



この小説は、著者が
20代終わりの頃に書いた長編小説を、
大幅に改稿したものだそうです。


全2巻ですが、
1巻 己を模索する〈少年編〉
2巻 運命を生きる〈青春編〉

に分けられています。


1巻は、総司の9才頃からのお話で、
父が死んだことで、生活に困った母が
宗次郎(総司の幼名)に商家へ奉公に行くか、
剣術道場の内弟子に行くかを迫るところから
始まります。


結局、剣術道場に行くことを決意する
宗次郎ですが、それが
有名で立派な道場ではなく、
近藤勇のいる天然理心流の道場でした。


それでも、藤吉と奈江という
二人の遊び仲間もでき、
おおむね幸せに暮らすことができた
宗次郎でしたが。


宗次郎が12才の時に、大事件が発生します。
美少年の子供たちが次々
変死体で発見されたのです。


また、近くの旗本の家に嫁いだ
娘も同じように殺されました。
その事件により、宗次郎は
藤吉や奈江と別れることに
なるのです。


1巻では、そんな少年時代の話と、
壬生浪士組として京都で過ごす
総司の様子が描かれていますよ。


2巻では、芹沢暗殺の話。
そして、少年時代のイヤな記憶を
再び思い出させるような出来事も、
総司に襲い掛かります。


また、土方歳三に命令されて
自分の苦手とする探索の仕事も
行っていきます。


その仕事の中で関わっていく
佐伯亦三郎と浅野藤太郎という
2人の隊士。


2巻では、その2人と総司との関わりが
大きく描かれます。


また、島原の初雪や、
るゐという少女も
総司に関わる人達です。


この小説は、坂本龍馬暗殺の
チョッと前までで終わっています。


最後の部分は、総司自身の
少年時代を思い起こさせるような、
不思議な感覚に襲われる総司がいます。


前半は総司の少年時代のお話で、
創作部分たっぷりで面白く読めました。
後半は少し物足りなさも感じましたけど、
今までとは違った総司がいて、
それはそれで楽しめたと思います。


チョッと長めではありますが、
文庫本になっていますので、
通勤・通学の合間に読めますよ


どうぞ機会があったら、
読んでみて下さいネ。


月下におくる(上) 沖田総司青春録
(講談社文庫) [ 堀川 アサコ ]



月下におくる(下) 沖田総司青春録
(講談社文庫) [ 堀川 アサコ ]

posted by ルンちゃん at 00:04| Comment(0) | 新選組の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月14日

昔の本を読むのも面白い

本棚を整理していたら
懐かしい本が出てきました。
それは黒鉄ヒロシさんのマンガです。



新選組 / 黒鉄ヒロシ 著 / PHP研究所


昔からの新選組ファンの方なら
ご存じでしょうね。
1996年に刊行された本で、
第43回文藝春秋漫画賞に選ばれた
本でもありますよ。


物語は、新選組の池田屋騒動から
新選組の終焉の函館戦争まで。
それから少し、その後のお話というか
チョッと不思議なお話が入って、
全部で45編の物語です。


ストーリー的には、新選組の
通年史なのですが、そこはそれ、
黒鉄ヒロシ氏の作品なので、
とても特徴ある作品になっていますよ。


例えば、このまんがは登場人物が、
現存する当人たちの写真をもとに
描かれているのです


近藤先生や土方歳三さんは、
あの写真のままですし、
高齢になってからの写真しかない
永倉さんや斎藤さんは、その写真を元に
若い頃を想像して描かれています。


また、沖田総司のように写真がない場合は、
血縁関係のおみつ姉さんの写真を
元に描かれます。


本人の写真はもちろん、
家族の写真もない藤堂平助さんなどは、
顔は描かれずそのまま顔なしです。
他に作者のイメージで書かれている
人物もいますけど…


そんな彼らが、新選組によく描かれる
お話しで登場しています。
それがなんとなく恐ろしいやら、
と思えばおかしいやらの、一風変わった
描かれ方で書かれているので、
とてもインパクトが強いのです。


一度は新選組好きなあなたに
読んでみて欲しいなと思う作品です。
とは言っても、癖のある描かれ方なので、
万民にあうとは思いませんけどね…


それからこのマンガ、実は昔
映画として劇場公開もされたのです。


それがまた、不思議な作風で、
アニメのような動画ではなくて、
紙を切り抜いて人型をつくり、
それを動かして物語にしたものだったのです。


つまり、原作からの切り絵キャラクター人形を
大量に作成し、その絵を操作して少しずつ動かし
撮影していくという作り方の、今なら似たような方法で
いろいろ作られているようですが、それらの
さきがけともいえるような作品でした。


また、アテレコのメンバーも、
近藤勇    − 中村敦夫
土方歳三   − 中井貴一
沖田総司   − 原田龍二
山南敬助   − うじきつよし
芹沢鴨    − 石倉三郎
清河八郎   − 石橋蓮司
伊東甲子太郎 − 石坂浩二
お 孝    − 萬田久子
明 里    − 清水美砂
駒 野    − 岸田今日子
ナレーション − 江守徹
という豪華キャスターでありました。
しかも市川崑監督の作品!


テレビで放送されなかったと思うので、
私も劇場でみた一回限りの記憶なんですけど、
もしできることなら、もう一度見てみたいと
思う作品なんですよね。


という訳で、その映画の原作、
私の持っているのは販売当初の本なのですが、
文庫本では「新選組發見傳」26編も、
書き下ろしで載せているので、もし興味が
おありでしたら、古本店で探してみてくださいね


新選組 / 黒鉄ヒロシ 著 / PHP研究所

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