2018年03月15日

この主人公は誰だ?

最近手に入れた本ですが、
面白かったのでご紹介しますね



新選組颯爽録 [ 門井慶喜 ]
光文社


「小説宝石」に載っていた物語で、
6作の短編小説なんですよね。
(下記カッコは発表号)


1.馬術師範(2013年10月号)
2.芹沢鴨の暗殺(2013年12月号)
3.密偵の天才(2014年3月号)
4.よわむし歳三(2014年6月号)
5.新選組の事務官(2014年9月号)
6.ざんこく総司(2015年1月号)


物語の題名を見ただけでも、
何となく内容がわかりそうなのもありますけど、
まったくわからないものもあって、
それがすごく気になったんです。


例えば「馬術師範」とは、誰のことかわかりますか?
それは安富才助のことなんです


安富才助は大坪流馬術の遣い手で、
実際に新選組内で馬術師範を務めた人です。


この物語にも馬術師範として登場しています。
彼は新選組に入隊して7ヶ月で
馬術師範に抜擢されます。


すると今まで口を聞いたこともない人からも
「安富先生」なんて声をかけられるように
なるのです


そんな彼が、なぜか再入隊してきた
阿部十郎から、嫌がらせを受けるのです。


例えば、道場では立会いと称して
皆の前で安富に恥をかかせたり、
安富の留守中に、
馬を勝手に厩舎から連れ出し、
座敷に放ったりされるのです。


そして阿部十郎の思惑通り、
安富の評判はがた落ちとなります。
周辺にいた人々は皆、安富から
離れていきました。でも、そんな彼に
近藤勇が弟子入りするのですよね


2人の師弟関係は、
わずか数ヶ月で終わりましたが、
その時の稽古が後日近藤を救うのです。


さて、題名だけでは誰かわからいない
主人公の第二弾は「密偵の天才」です。


「密偵」といわれて思い出すのは、
昔のテレビでしたら「山崎蒸」ですよね。
山崎は、変装姿でよく登場していましたっけ。


でも最近では、山崎以外の人が描かれます。
例えば斎藤一とか
ただし、この物語に登場する「密偵」は、
山崎でも斎藤でもありません。
実は橋本皆助なんですよね。


沖田総司が認める腕前を持つ
久万山要人(くまやまかねめ)が斬られた
との報告に、総司は自ら現場へ向かいます。
それは真偽を確かめるとともに、
「剣客としての好奇心」というのも
あるのですが…。


下手人として、
直前まで久万山と一緒にいた隊士
穂積小三郎が疑われます。しかし、
話はそれほど簡単ではありませんでした。


そして密偵らしき人物が、次々と
登場していきます。
いったい真犯人はだれなのか。
話が進行するにつれ
面白くなっていくんですよね〜


そして題名だけでは主人公のわからない
「新選組の事務官」は、尾形俊太郎が登場します。


新選組のような剣客集団には、
ろくな教養の持ち主などいないだろう。
だから自分のような文吏は
貴重な存在になるにちがいない。


だからすぐに新選組に入れるだろう
と思って新選組にやってきた尾形は、
思惑通りに新選組に入隊することに
成功したのです。


でも「文吏の換えはいくらでもいる」
との近藤の言葉を聞いて尾形は
生きた心地がしませんでした。


そんな尾形の前に「文吏の換え」
とも言うべき人物が現れます。
果たして尾形の運命は?


そんな3話を含む全6話。
どのお話も面白かったので、
あなたも機会があったら
是非読んでみて下さいね



新選組颯爽録 [ 門井慶喜 ]
光文社

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posted by ルンちゃん at 00:12| Comment(4) | 新選組の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月18日

沖田総司になった理由

チョッと前に読んだ小説ですが、
タイトルだけだと新選組本とは
わかりませんでしたね。


でも2巻目の表紙を見て、
新選組本だよねってわかりましたよ。


「ただの少年は、
 いかにして沖田総司になったのか」


1巻の帯にある
その言葉が妙に気になって、
購入することにしました

月下におくる(上) (下) 
沖田総司青春録 (講談社文庫) [ 堀川 アサコ ]



この小説は、著者が
20代終わりの頃に書いた長編小説を、
大幅に改稿したものだそうです。


全2巻ですが、
1巻 己を模索する〈少年編〉
2巻 運命を生きる〈青春編〉

に分けられています。


1巻は、総司の9才頃からのお話で、
父が死んだことで、生活に困った母が
宗次郎(総司の幼名)に商家へ奉公に行くか、
剣術道場の内弟子に行くかを迫るところから
始まります。


結局、剣術道場に行くことを決意する
宗次郎ですが、それが
有名で立派な道場ではなく、
近藤勇のいる天然理心流の道場でした。


それでも、藤吉と奈江という
二人の遊び仲間もでき、
おおむね幸せに暮らすことができた
宗次郎でしたが。


宗次郎が12才の時に、大事件が発生します。
美少年の子供たちが次々
変死体で発見されたのです。


また、近くの旗本の家に嫁いだ
娘も同じように殺されました。
その事件により、宗次郎は
藤吉や奈江と別れることに
なるのです。


1巻では、そんな少年時代の話と、
壬生浪士組として京都で過ごす
総司の様子が描かれていますよ。


2巻では、芹沢暗殺の話。
そして、少年時代のイヤな記憶を
再び思い出させるような出来事も、
総司に襲い掛かります。


また、土方歳三に命令されて
自分の苦手とする探索の仕事も
行っていきます。


その仕事の中で関わっていく
佐伯亦三郎と浅野藤太郎という
2人の隊士。


2巻では、その2人と総司との関わりが
大きく描かれます。


また、島原の初雪や、
るゐという少女も
総司に関わる人達です。


この小説は、坂本龍馬暗殺の
チョッと前までで終わっています。


最後の部分は、総司自身の
少年時代を思い起こさせるような、
不思議な感覚に襲われる総司がいます。


前半は総司の少年時代のお話で、
創作部分たっぷりで面白く読めました。
後半は少し物足りなさも感じましたけど、
今までとは違った総司がいて、
それはそれで楽しめたと思います。


チョッと長めではありますが、
文庫本になっていますので、
通勤・通学の合間に読めますよ


どうぞ機会があったら、
読んでみて下さいネ。


月下におくる(上) 沖田総司青春録
(講談社文庫) [ 堀川 アサコ ]



月下におくる(下) 沖田総司青春録
(講談社文庫) [ 堀川 アサコ ]

posted by ルンちゃん at 00:04| Comment(0) | 新選組の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月14日

昔の本を読むのも面白い

本棚を整理していたら
懐かしい本が出てきました。
それは黒鉄ヒロシさんのマンガです。



新選組 / 黒鉄ヒロシ 著 / PHP研究所


昔からの新選組ファンの方なら
ご存じでしょうね。
1996年に刊行された本で、
第43回文藝春秋漫画賞に選ばれた
本でもありますよ。


物語は、新選組の池田屋騒動から
新選組の終焉の函館戦争まで。
それから少し、その後のお話というか
チョッと不思議なお話が入って、
全部で45編の物語です。


ストーリー的には、新選組の
通年史なのですが、そこはそれ、
黒鉄ヒロシ氏の作品なので、
とても特徴ある作品になっていますよ。


例えば、このまんがは登場人物が、
現存する当人たちの写真をもとに
描かれているのです


近藤先生や土方歳三さんは、
あの写真のままですし、
高齢になってからの写真しかない
永倉さんや斎藤さんは、その写真を元に
若い頃を想像して描かれています。


また、沖田総司のように写真がない場合は、
血縁関係のおみつ姉さんの写真を
元に描かれます。


本人の写真はもちろん、
家族の写真もない藤堂平助さんなどは、
顔は描かれずそのまま顔なしです。
他に作者のイメージで書かれている
人物もいますけど…


そんな彼らが、新選組によく描かれる
お話しで登場しています。
それがなんとなく恐ろしいやら、
と思えばおかしいやらの、一風変わった
描かれ方で書かれているので、
とてもインパクトが強いのです。


一度は新選組好きなあなたに
読んでみて欲しいなと思う作品です。
とは言っても、癖のある描かれ方なので、
万民にあうとは思いませんけどね…


それからこのマンガ、実は昔
映画として劇場公開もされたのです。


それがまた、不思議な作風で、
アニメのような動画ではなくて、
紙を切り抜いて人型をつくり、
それを動かして物語にしたものだったのです。


つまり、原作からの切り絵キャラクター人形を
大量に作成し、その絵を操作して少しずつ動かし
撮影していくという作り方の、今なら似たような方法で
いろいろ作られているようですが、それらの
さきがけともいえるような作品でした。


また、アテレコのメンバーも、
近藤勇    − 中村敦夫
土方歳三   − 中井貴一
沖田総司   − 原田龍二
山南敬助   − うじきつよし
芹沢鴨    − 石倉三郎
清河八郎   − 石橋蓮司
伊東甲子太郎 − 石坂浩二
お 孝    − 萬田久子
明 里    − 清水美砂
駒 野    − 岸田今日子
ナレーション − 江守徹
という豪華キャスターでありました。
しかも市川崑監督の作品!


テレビで放送されなかったと思うので、
私も劇場でみた一回限りの記憶なんですけど、
もしできることなら、もう一度見てみたいと
思う作品なんですよね。


という訳で、その映画の原作、
私の持っているのは販売当初の本なのですが、
文庫本では「新選組發見傳」26編も、
書き下ろしで載せているので、もし興味が
おありでしたら、古本店で探してみてくださいね


新選組 / 黒鉄ヒロシ 著 / PHP研究所

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