2017年08月13日

「大菩薩峠」20巻を読み終えた


以前にお伝えしていた
中里介山の大菩薩峠(全20巻)を
読み終えました


大菩薩峠/中里介山著
富士見書房



途中で飽きるということは
ありませんでした。でも、
じっくり読みたかったのと、途中で
別の本と平行して読んでいたもので、
意外と時間がかかってしまいました。


それでも、想像していたよりも
ずっと面白かったですよ。


「大菩薩峠」は中里介山が、
1913(大正2)年から
1941(昭和16)年という
長い歳月の間に書いた
大衆小説の魁ともいえる物語本です。


お話は安政5年の
青梅街道から始まります。主人公は
机龍之助(つくえりゅうのすけ)。


龍之助は、この物語のタイトルでもある
「大菩薩峠」のふもとにある沢井道場の
跡取り息子です。「音無しの構え」という
独自の技を使う剣の達人でもありました。


それだけなら「かっこいい♪」
って思うところなんですが、この御仁
大菩薩峠の頂上で、なんと罪のない
年老いた巡礼を一人、
斬り捨ててしまうのです


そして、机龍之助はもちろん、
殺された老巡礼の孫娘・お松や
その孫娘を助けた怪盗七兵衛、
それらの人々の行方を描いて始まるのが
「大菩薩峠」なのでした。


机龍之助はその後、
御岳神社の奉納試合で
宇津木文之丞という男と
試合をします。


文之丞には内縁の妻お浜がいましたが、
お浜は試合の前に龍之助に、
文之丞の妹だとウソをついて会い、
「この試合で負けて欲しい」と
龍之助に頼みます。


しかし、彼は聞き入れるどころか、
お浜を手篭めにしてしまうのです。


そして試合では、宇津木文之丞が
龍之助の刀に破れ、命を失います。
龍之助はお浜を連れて江戸へ向かいます。


その龍之助を、今度は
文之丞の弟の兵馬が、兄の仇と
龍之助をつけ狙うのでした。


龍之助は宇津木兵馬から
果し合いの書状を受け取るも、
それを無視して京都へと旅立ちます。
それより前、お浜を自分の刀で
斬り殺してしまう龍之助。


こうして龍之介は、次々と殺人を
冒していくのです。
もう最終話までには幾人殺したのか
わからないほどです。


ちなみに「大菩薩峠」
全20巻(42項目)は
下記の通りとなっていますよ。


第 一巻(甲源一刀流の巻)
第 二巻(龍神の巻)
第 三巻(女子と小人の巻)
第 四巻(如法闇夜の巻)
第 五巻(道庵と鰡八の巻)
第 六巻(小名路の巻)
第 七巻(無明の巻)
第 八巻(他生の巻)
第 九巻(流転の巻)
第 十巻(めいろの巻)
第十一巻(鈴慕の巻)
第十二巻(畜生谷の巻) 
第十三巻(勿来の巻)なこその巻
第十四巻(不破の関の巻)
第十五巻(白雲の巻)
第十六巻(胆吹の巻)
第十七巻(恐山の巻)
第十八巻(農奴の巻)
第十九巻(京の夢おう坂の夢の巻)
第二十巻(椰子林の巻)



この物語に、
じつは新選組も何度か登場します。
その中でも色濃く登場するのが、
その第一巻の中の3項目。
「壬生と島原の巻」ですよ。


ここでは龍之助は、芹沢鴨と
昔からの知り合いなんですよね。
京都で龍之助は、その芹沢鴨を訪ねます。
そして芹沢に頼まれて近藤勇を
暗殺することになるのですが…


龍之助と新選組との関わりは、
その項が一番濃いのですが、
その後も新選組の隊士たちは、
各場面で登場します。


思いもしないところで
土方歳三や沖田総司らが登場していますし、
後半では油小路の事件も描かれていて、
目が離せません。


そんな風に新選組が登場するので、
飽きもせずに、最後まで
楽しく読めたわけですけど。


でも全体的には、
机龍之助が出会った人物や、
宇津木兵馬が出会った人物などが
どんどん増えていくのです。


登場するそれぞれの人物の行動を
細かく書き上げているので、
場面がいくつも変わって読むのが大変です。


それで、お話も
主人公の机龍之助だけの話では
なくなっていきます。


しかも、こんなに登場人物が出てきて、
いろいろな場面が多数出てきて、
お話はどうなってしまうのかしら?
と思ったところで、
物語は終わってしまうのです。


実はこの「大菩薩峠」は「未完」なのです。
著者が腸チフスに罹り他界してしまったので、
登場人物たちは、旅の途中のまま、
永久に旅したままなのです。


そんなお話ではありますが、
著者が多摩地方の方であり、
史跡なども残っているので、私の中では、
とても記憶に残る作品でもあり、
著者さんでもあるのです。


さて、「大菩薩峠」全20巻は
読み終えてしまいましたが、まだ、
高尾山にあったという介山先生の
居住跡も確認していません。


また、物語に登場する
大菩薩峠にも登っていませんので
(介山先生ゆかりの碑などがあるらしい)
まだしばらく、私の大菩薩峠熱というか、
介山熱は冷めそうにありません^^;


そんなわけで、
また上記のどちらかを訪ねたときに
お話しようと思います

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2017年06月14日

昔の本を読むのも面白い

本棚を整理していたら
懐かしい本が出てきました。
それは黒鉄ヒロシさんのマンガです。



新選組 / 黒鉄ヒロシ 著 / PHP研究所


昔からの新選組ファンの方なら
ご存じでしょうね。
1996年に刊行された本で、
第43回文藝春秋漫画賞に選ばれた
本でもありますよ。


物語は、新選組の池田屋騒動から
新選組の終焉の函館戦争まで。
それから少し、その後のお話というか
チョッと不思議なお話が入って、
全部で45編の物語です。


ストーリー的には、新選組の
通年史なのですが、そこはそれ、
黒鉄ヒロシ氏の作品なので、
とても特徴ある作品になっていますよ。


例えば、このまんがは登場人物が、
現存する当人たちの写真をもとに
描かれているのです


近藤先生や土方歳三さんは、
あの写真のままですし、
高齢になってからの写真しかない
永倉さんや斎藤さんは、その写真を元に
若い頃を想像して描かれています。


また、沖田総司のように写真がない場合は、
血縁関係のおみつ姉さんの写真を
元に描かれます。


本人の写真はもちろん、
家族の写真もない藤堂平助さんなどは、
顔は描かれずそのまま顔なしです。
他に作者のイメージで書かれている
人物もいますけど…


そんな彼らが、新選組によく描かれる
お話しで登場しています。
それがなんとなく恐ろしいやら、
と思えばおかしいやらの、一風変わった
描かれ方で書かれているので、
とてもインパクトが強いのです。


一度は新選組好きなあなたに
読んでみて欲しいなと思う作品です。
とは言っても、癖のある描かれ方なので、
万民にあうとは思いませんけどね…


それからこのマンガ、実は昔
映画として劇場公開もされたのです。


それがまた、不思議な作風で、
アニメのような動画ではなくて、
紙を切り抜いて人型をつくり、
それを動かして物語にしたものだったのです。


つまり、原作からの切り絵キャラクター人形を
大量に作成し、その絵を操作して少しずつ動かし
撮影していくという作り方の、今なら似たような方法で
いろいろ作られているようですが、それらの
さきがけともいえるような作品でした。


また、アテレコのメンバーも、
近藤勇    − 中村敦夫
土方歳三   − 中井貴一
沖田総司   − 原田龍二
山南敬助   − うじきつよし
芹沢鴨    − 石倉三郎
清河八郎   − 石橋蓮司
伊東甲子太郎 − 石坂浩二
お 孝    − 萬田久子
明 里    − 清水美砂
駒 野    − 岸田今日子
ナレーション − 江守徹
という豪華キャスターでありました。
しかも市川崑監督の作品!


テレビで放送されなかったと思うので、
私も劇場でみた一回限りの記憶なんですけど、
もしできることなら、もう一度見てみたいと
思う作品なんですよね。


という訳で、その映画の原作、
私の持っているのは販売当初の本なのですが、
文庫本では「新選組發見傳」26編も、
書き下ろしで載せているので、もし興味が
おありでしたら、古本店で探してみてくださいね


新選組 / 黒鉄ヒロシ 著 / PHP研究所

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2017年03月14日

蟻通勘吾さんが主役


前回ご紹介した小松エメル氏の
もう一冊の新選組作品です。
2014年9月に刊行されているので、
こちらの方が先ですね。


 
夢の燈影 新選組無名録 [ 小松 エメル ]/講談社


この本には6話が収録されていますよ。
どれも「小説現代」で発表された物語です。


信心 (「小言頼み」改題 2014年6月号
夢告げ            2013年5月号
流れ木            2013年9月号
寄越人            2013年12月号
家路             2014年2月号
姿絵             2014年4月号


最初の「信心」という物語は、
井上源三郎が主人公の作品です。


浪士組の一人として、都にのぼった源三郎は、
試衛館メンバーことが心配で、結局彼らと共に
京都に残ることを決心します。


京都では試衛館の仲間はもちろんのこと、
他の隊士達も同様に「良くなって欲しい」
との気持から、彼らに小言をいい続けます。


しかしある時ふと、源三郎は思うのです。
自分はこの場所にいなくても、
いいのではないか…と。


そう感じた源三郎ですが、結局
最期まで新選組にいるのですよね。
ではその理由は、
いったいなんだったのでしょうか?


次の「夢告げ」は蟻通勘吾の話です。
勘吾さんが物語の主役になるというのは
珍しいですよね。というより、蟻通勘吾が
登場すること自体がめずらしい…かな。


物語の勘吾さんは普段、あまり夢を
みない方でしたが、ある時から、
よく夢をみるようになります。


でも夢に現れるのは、恋人でも
亡くなった親でもありません。
登場するのは決まって
従兄の七五三之進でした。


じつは勘吾は、その七五三之進に誘われ
新選組に入隊したのですが、
その4ヵ月後に七五三之進が
行方不明になるのです。


隊士達の間では、彼は長州の間者だったらしい
との噂が立ち、そのため勘吾自身も
他の隊士達から疑われているような
気がしています。


そのせいなのでしょうか。
仕事にもあまりやる気が感じられず、
ますます仲間から、疎まれていくのです。


この物語は後半から面白くなってきますよ。
七五三之進の正体もわかり、
事の真相もわかってきます。


そして土方歳三の真意も明かされ、
予想外の展開で面白かったです^^


「流れ木」は谷周平の話です。
周平が近藤勇の養子になる前の部分から、
養子になった後の新選組での様子など…


そこに、実際にあったといわれている話と、
うまい具合に組み合わせて、
新たな物語となっています。
「周平にも彼なりの苦労があった」という風に
描かれているのでした。


四作目の「寄越人」は酒井兵庫の話。
ここでの寄越人とは、
切腹した隊士の埋葬を依頼し、
滞りなく死者を送るという役目のことです。


酒井兵庫は普段勤める勘定方とは別に、
この寄越人にも任命されたのです。


この任に就いた当初、兵庫は
切り込みに参加するよりありがたいと
思っていましたが、山南敬助の死に立会い、
それが誤りだったと気付くのです。


兵庫にとって山南は、
自分というものを認めてくれて、
勘定方になるきっかけを作ってくれた
人物だったのです。


そうして、兵庫は
あることを決意するのです。


「家路」は山崎丞のお話です。
御陵衛士の監視から始まる、この物語。
山崎には山崎なりの考えがあって、
行動しています。


池田屋での大惨事、敵はもちろん味方にも
大いに犠牲が出た事件。
自分がもっと上手く立ち回っていれば、
もっと良い結果になっていたのでは…


そんな思いに駆られて、
山崎は御陵衛士を監視していたのでした。


山崎の仕事はそれだけではありません。
仲間をつけ回し、探りを入れる彼の姿を
よく思っていない隊士もいます。


「そんなだから駄目なんだ」
と原田左之助に言われ、
原田もそういった人物と同様だと思い、
なんとも云われぬ思いにかられます。


「姿絵」は中島登のお話です。
中島登さんのことはご存知ですよね。
八王子出身で天然理心流の門下生だった彼は、
近藤勇の隊士募集の折に、入隊志願します。


この物語では、近藤勇達が京へ登る際に
本当は一緒に行きたかった中島でしたがが、
千人同心としての立場や、妻子達を抱えている手前
それができず、しかし諦めきれずにいたところ、
近藤勇が隊士募集に江戸にやってきたのを知って
入隊を志願するというわけです。


そして入隊。
しかし京都へは行かずに、近藤の命で
そのまま多摩地域を含む江戸周辺の
情報収集を行うという任に就くことになります。


その後、京都に行きますが
京都で働いた期間は短く、
鳥羽伏見の戦い以降、敗戦につぐ敗戦に
立ち会うことになります。


降伏の後は、
仲間が生きた証を残そうと、
隊士たちの絵を書き残すのです。
そんな彼の姿を見られるのが
この物語です。


今まで、主人公にあまりならなかった
人物が描かれているので、
どんな物語りになっているのか
とても興味がありました。


まだ描いてほしい人物がいるので、
次なる小松エメル氏の本も
読んでみたいと思います

 
夢の燈影 [ 小松エメル ]/講談社

文庫本もありますよ

夢の燈影 新選組無名録 [ 小松 エメル ]
                         
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