2016年02月07日

新選組だった会津藩士の物語

会津藩士」「新選組隊士
この二つの言葉で、
連想する人物は誰でしょう?


なんて聞かれたら、たぶん
「斎藤一」と答えるでしょうね。


でも、これからお話する小説に
登場する新選組隊士は、
斎藤一ではありませんよ


戊辰繚乱 [ 天野純希 ]
新潮社


『戊辰繚乱』は、
2013年3月に刊行された小説です。
2015年11月には文庫本にもなったので、
「最近、本屋で見かけた気がする」なんて
思ったかもしれませんね。


この小説の主人公は、
山浦鉄四郎という新選組藩士です。
会津戦争後には、蒲生(がもう)誠一郎と
名乗っていました。


じつはこの方は、実在した人物なんですよね。
元は会津藩士ですが、一時期
新選組にいたようです。
会津戦争の時には再び会津藩士として、
鶴ヶ城に籠城しながらも、機を見て
城外にも出て戦っています。


戊辰戦争後は明治4年に、ある女性と結婚。
(=ネタバレになるので名前は書きません)
その後函館に渡り、その地で生涯を終えました。


山浦鉄四郎については
不明な点も多々あるようですけど、
その不明部分に著者の創作がたっぷり盛り込まれ、
山浦という人物を見事に描きあげているのが、
この『戊辰繚乱』なんですよね


さて、ここからは物語の内容です。
どうしても若干のネタバレがあります。
「ネタバレは絶対にイヤ!」という場合は、
下の部分は読まずにいて下さいね。


物語は、鉄四郎が江戸にいる頃から始まります。
ふるさとを逃げるように飛び出した彼と
友人の佐々木誠一郎は、
江戸で学問を修めようとしています。


しかし、時世を語る塾生達についていけず、
いまひとつ学問に身を入れることが
できずにいる鉄四郎。


そんな彼が、江戸詰めの父らと暮らす
中野竹子に出会ったり、ある出来事から
試衛館の藤堂平助と出会ったりするうち、
運命が少しずつ変わっていくのですよね。


それまでの鉄四郎は、何ごとにも
熱中できずにいる男でした。竹子いわく、
「武芸にも学問にもやる気のない、ふざけた男」
でしたが、試衛館に顔を出すようになってから、
剣術修行が楽しくなっていきます。


しかし、藩主の松平容保公が
京都守護職になったことで、
鉄四郎の生活が一変します。


舞台は京都へと移り、
しばらく後に新選組に入隊。
幕末という時代の流れの中で、
彼の好き嫌いにかかわらず、戦いの中に
身をゆだねていくことになります。


時代に押し流されながらも、抗う鉄四郎。
しかし戦いの中で、いつしか
彼の心は壊れてゆくのでした。


物語の前半では「次の展開が楽しみ」
という次の場面で、読者に想像を
ゆだねるような部分があり、
不満に思うことも幾つかありました。


でも後半は、描写がしっかり書かれていて、
一気に読み終えてしまいましたよ。
読み進めていく中で、中野竹子や
鉄四郎の気持とシンクロしてしまい、
思わず涙もあふれます。


試衛館メンバーとは、
江戸からの付き合いになるので、
多摩時代、京都時代等々、
登場する場面は多いですよ


特に藤堂平助とは仲がいいので、
よく登場しています。また土方さえも
鉄四郎のことを気に入っているようなので、
それは嬉しい場面でもありますよ。


『戊辰繚乱』の名前だけですと
どんな物語か想像もつきませんよね。


私もただ「新選組隊士の物語」というだけで
読み始めましたが、想定外の面白さで、
読んで得した気分です


物語のその先を思うと、
ハッピーエンドではないかもしれません。
でも、なんとなく心の中に暖かさが残ります。


壊れかけていく鉄四郎の心は
救われるのでしょうか?
どうぞよかったら読んでみて下さいね

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単行本・文庫本 両方出てますヨ^^

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2015年08月07日

スピリチュアル風 土方歳三


土方歳三を題材とした小説で、
ちょっと変わった本をみつけたので、
お話しますね


土方歳三 われ天空にありて
七浜 凪(なぎ)著


平成22年7月に明窓出版から、
刊行された本です。
七浜 凪氏は女性の方ですよ。


「変わっている」というのは、この物語は、
土方歳三が亡くなった後の話なんですよね。
しかも当の本人が語っているのです。


歳三が亡くなってから140年の後の話で、
その時、彼は天空にいて、そこで生前の自分を
思い出しているところなんですよ。


そんなところから
「われ天空にありて」というタイトルも
付いているみたいなんですね。
(以下ネタバレしてます。ご注意下さい)


姿かたちは、とうに朽ち果て
意識だけが存在しているという状態。
土方歳三だった頃の意識も
そろそろ消えてしまう、その前に、
自分について思い起こしてみようと考えます。


幼少の頃から始まって、試衛館時代、
新選組時代、そして終焉の箱館時代。


この土方歳三には、いつの頃からか
不思議な力が備わっていました。それは
「人を見ると、その人の本来の色が見える」
というものです。


いくら虚勢を張ろうが、嘘をつこうが
彼には相手の本当の色(=本性)が見えてしまい、
人間の矛盾を理解できず、結果
相手を受け入れないという
難しい性格になってしまいます。


そんな彼でも認める人々がいました。
また、彼を慕う人も登場します。


そうして人生を振り返った時、
彼はあることを思うのです。


と、こんな感じの小説なんですけど、
スピチュアル風な話で土方歳三が登場するのは、
珍しいのではないでしょうか?


3〜126ページという
比較的短い文章ですので、
書店などで見つけたときには、
彼の思いなど確認してみて下さいね。



土方歳三 われ天空にありて
七浜 凪(ななはま なぎ)著


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2015年07月08日

最近読んだ新選組本


2014年に刊行された
新選組小説を読んでみましたよ。


新選組演義 総司恋童 [ 長尾啓司 ]


この本を読んだとき、
「昭和の時代を感じるな」
と最初に思いました。


新選組(=幕末)なのに
「昭和の時代を感じる」というのも
おかしな表現かもしれませんね。


それはつまり、
昭和の頃に刊行された新選組小説に
雰囲気がとてもよく似ている 
という感じなんですよね。


参考文献に、子母澤寛や
司馬遼太郎の書籍もあったので、
少なからずそれらの作品の影響を
受けているのかもしれません。


また著者の長尾啓司(ひろし)氏は
「時代屋の女房2」の監督をされていた
フリーの映画監督さんなので、
そんな面からも昭和の雰囲気を
感じてしまったのかもしれませんね。
(あくまでも私個人の感想ですけど…)


さて、物語の内容ですが、
池田屋事件の少し前から始まっています。
(ネタバレ注意です)


なんとなく体調がすぐれないでいる沖田総司は、
周囲の、特に近藤勇や土方歳三が
命運を賭けて事に当たっていることを
直感で感じていました。


上洛したばかりの頃は、国事のことなどわからず、
近藤や土方の命ずるままに刀を振るっていた総司でしたが、
この頃になると「それでいいのか」という不安が
少しずつふくらみ始めています。


そんな頃に池田屋事件が勃発。
総司は「病」と「先行き」という二つの不安を抱えつつも、
近藤らの野望に応えるように、池田屋に斬り込みます。


と、こんな感じで話は進んでいきますが、
沖田総司の不安を抱える心を癒してくれるのが、
北野天満宮近くの茶屋で働く
「きく」という女性なんですね。


実はこの女性、チョッと訳ありの女性なんですが、
読み進めていくと、意外な人物と関わっています。
そして総司は彼女と関わることで、
因果を思い知らされるのでした。


前半はよく知った話が主で、安心して読める分、
どうしても物足りなさを感じてしまいました。
でも後半からは、オリジナルの部分が表れて
それなりに楽しめたと思います。


最近の作品に頻繁に見られるような
奇抜な部分はありませんけど、
昭和の頃読んだ新選組本が恋しい
と思った時にでも読んでみて下さいね。


もちろん、
昭和の新選組本を知らないようでしたら、
それはそれで新鮮に感じるかもしれませんので、
どうぞお試し下さいね


新選組演義 総司恋童 [ 長尾啓司 ]


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