2024年03月27日

釘隠しの話

「釘隠し」とはなんでしょう?
それは日本建築で見ることができる
釘を打った時にその釘を隠すために
つけられた装飾品です。


元は実用品だったようですが、
桃山時代以降にはデザイン重視の物も
登場したようです。


「釘隠し」には木材や鉄の他にも、
金・銅・七宝などで
作られたものもありますよ。
お城や寺などいろいろな所で
見ることができます。


私が見たのは、日野宿本陣にある
各部屋の「釘隠し」です。


日野宿本陣には
「コウモリ」や「ウサギ」などの
形をした「釘隠し」があるんです。
(ルンちゃんは動物が好きなので
 そういうものに目が行く)


「コウモリ」は中国では縁起の良いもの
だそうです。それが日本にも
伝わってきたのでしょう。「コウモリ」
といっても調べてみるといろいろな形の
釘隠しがあるようですよ。

日野宿本陣の釘隠し
日野宿本陣の釘隠し posted by (C)ルンちゃん


日野宿本陣にある物は、
なんとなく可愛らしいものですが、
世間にはとてもリアルな
恐そうな「コウモリ釘隠し」があります。


「ウサギ」は子沢山なので、
子孫繁栄の意味があるようです。
本陣の物は「2匹のウサギ」のデザインですが、
調べてみたら、世間には1匹のウサギが
正面を向いているものもありました。


以前見学して面白いと思った「釘隠し」は
吉川英治記念館内のものです。


吉川英治記念館の釘隠し
吉川英治記念館の釘隠し posted by (C)ルンちゃん


吉川英治記念館は
140年前の庄屋だった建物を
改築して吉川英治氏が使用していた建物です。
そちらには吉川英治氏が自らデザインした
「逆さ梅」の釘隠しがありました。


普通は梅の正面5つの花びらを
描いてあるものですが、こちらのは
花の裏側をデザインしています。


釘隠しって自分でデザインすることも
できたのですね。おもしろ〜い。


現在の西本願寺黒書院には
「七宝の釘隠し」があるそうで、
新選組も目にしていたかも
しれませんね。


釘隠しは取り外して
売ることもできるようで、
現在でもネットなどを見ると
いろいろな値段で売っています。
(現在は歴史的価値という感じかな)


いろいろなデザインがあって、
見ているだけでも面白いので、
私もお城とかお寺とか行ったときには
「釘隠し」も、しっかり見てみようと
思っています。

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2024年02月16日

「大政奉還」を描いた人

立川市にある「たましん美術館」で、
気になる展覧会があったので、
でかけてみましたよ。


時代を描いたやまと絵師
    邨田丹陵
前期2024年1月13日〜2月18日
後期     2月24日〜3月31日



邨田丹陵(むらた たんりょう)と聞いて
「あっ、あの人ね」
という人は、なかなかいないのでは
ないでしょうか。


かく云う私も、その人の名前は
存じませんでした。


でも、学校の歴史教科書に載っている
「大政奉還」の絵といえば、
あなたもわかるのではないでしょうか。


あの二条城黒書院を舞台に描かれた
在京の諸藩重臣が慶喜将軍の話を聞いている
という図柄の「大政奉還」の絵です。


そうなんです。
聖コ記念絵画館に所蔵されている
「大政奉還」のあの絵を描かれた方が、
この邨田丹陵なのです。


邨田丹陵は1872(明治5)年から
1940(昭和15)年に活躍された方で、
旧田安藩の徳川藩士、村田直景の子として
東京に生まれました。


父の元で学ぶも、絵画に目覚め
吉沢素山という画家に絵を学びます。
そして後、川辺御楯のもとで土佐派を
学んでいきます。


その後活躍するも、故あって、
表舞台からは退いてしまいますが、
徳川慶喜の孫にあたる慶光氏から依頼を受けて
「大政奉還」の絵を描くことを決意します。


描くにあたっては
資料を多数集めていたそうですが、
依頼を受けた翌年に起きた
関東大震災の火災で、
下谷区(現在の台東区西部)にあった
彼の自宅は焼失してしまいます。


その後、縁あって砂川氏の援助を受け、
北多摩郡砂川村(現在の立川市砂川町)
に住居を移し、そこで再び
資料集めに奔走します。


そうして仕上げた「大政奉還」の絵ですが、
完成は1935(昭和10)年で、
なんと依頼を受けて13年の歳月を経て
出来上がったものだそうです。


それだけの時間をかけて描かれた
というのもすごいことですけど、
そんな方が、私の身近である
立川市に住んでいたということが
私には嬉しい驚きでした。


「大政奉還」の下図となった絵の
展示が今回あり、しかもそれは
前期の1月13日から
2月18日までの展示だと知って
「これは見なくては」と思い立ち
出かけたというわけです。


実際の聖コ記念絵画館のものよりは、
今回展示の物は小さいですが、それぞれの
詳細な部分はしっかり描かれています。


昭和に完成した絵ではありますが、
幕末当時の雰囲気が充分感じられる
幕末好きな私にとっては
好きな絵のひとつです。


しかも今回知ったことなんですけど、
依頼のあった当初は、「大政奉還」の絵に
描かれている10月12日の様子ではなく、
小松帯刀や後藤象二郎らがいた
13日の様子が描かれる予定だった
そうなんですよ。


それが変更されて、
この日になったのだそうです。


それを知った時
「12日の日でよかった」
と思ってしまいましたよ。


さて「大政奉還」のことばかり
書いてしまいましたが、
「時代を描いたやまと絵師」と
タイトルがあるようにいろいろな時代の
絵を邨田丹陵は描いています。


枕草子の作者である清少納言や、
六歌仙の方々。
巴御前の弓張りの絵や
小早川隆景公仮寝図など
興味をそそるもの多数です。


繊細な筆さばきと、
多色ながら派手なイメージではない
融合した美しさに、ずっと見ていたい
と思う絵でした。


邨田丹陵の作品は、
なかなか見る機会はないですから、
家がお近くで興味のある方は
行ってみてくださいね。

邨田丹陵展
邨田丹陵展 posted by (C)ルンちゃん


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2023年12月04日

小原宿本陣祭に行ってみた

甲州街道の小原宿で、
「小原宿本陣祭」があったので
行ってきました。


小原宿は甲州街道の、
相模湖近くの宿場です。


こちらには、神奈川県で唯一
本陣が今も残っています。
その本陣を重要な歴史的資源として、
地域の活性化につなげています。


また江戸時代の歴史文化を
後世に伝えていくべく
毎年11月3日には「小原宿本陣祭」が
行われているんですよ。

小原宿本陣祭 のぼり
小原宿本陣祭 のぼり posted by (C)ルンちゃん


前からこのお祭りに
凄く興味があったのですが、
なかなか予定があわずに
見学できずにいました。


でも今年はずいぶん前から、
この場所を通る度に、
お祭りののぼりを見ていました。


そのおかげもあって
お祭りを意識していられましたし、
予定も空けていたので
行くことができましたよ。


さて、当日は文句なしの快晴です!
JR線相模湖駅を降りると、
駅前にお祭り行きのバスが来ていました。
その無料送迎バスに乗り、会場近くまで
行きます。


メイン会場の周辺は、
一般の車の出入りは禁止なので、
数分でバスを降り、
小原宿の宿場内に到着です。


お目当ては「大名行列」でしたが、
うまい具合に、到着してすぐに
見学することができましたよ。
甲州街道ではその昔、3つの大名家が
この道を利用していました。


その行列を再現するように、
奴さんや侍、殿様や姫様が行進します。
でもほんと短いコースなので、
殿様も姫様も徒歩なのです。


現地に到着したのは、12時過ぎでしたが
うまい具合に行進する行列と遭遇することが
できました。


奴さん、お奉行様、殿様、姫様、
腰元の皆さん、お侍様等、
次々登場する人たちをすべて
見学することができました。


マンホールのふた
マンホールのふた posted by (C)ルンちゃん


まあ、宿場内だけの行進ですからね。
そんなに長い行列ではありませんけどね。
でも充分楽しめました。


そんな小原宿の行列ですが、
実際に甲州街道の行列って
こんな感じだったのかな
なんて想像することができたのは
よかったです。


途中では
「川越藩火縄銃鉄砲隊保存会」の方々の
火縄銃の発砲演習や、
「相模湖本陣弁天会」の皆さんの
太鼓披露もあり、
迫力があってよかったです。


火縄銃がズドン!
火縄銃がズドン! posted by (C)ルンちゃん


会場では地元の人たちの
フラダンスの踊りとかの催し物や
食べ物なども販売していました。


地元野菜の販売などもあり、
それらを購入したり、
お饅頭を食べたりしました。


今回初めての「小原宿本陣祭」
見学でしたが、いろいろ見学できて
よかったです。
もちろん本陣も見学しましたしね。


帰りに地元PRのマグネットなども
もらえたし、充分お祭りを楽しめました。
念願の「小原宿本陣祭」見学でしたが、
行ってよかったです。


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