2007年10月31日

「大徳川展」感想


長いレポートになりましたが、
ここでお話したのは
「大徳川展」のほんの一部ですよ。
徳川260年分の品ですから
それは見ごたえありますよね。


今回見学を始めてすぐに感じたのは
その展示品の「保存状態の良さ」です。


ウォーキングや旅の途中で
博物館にはよく立ち寄りますが、
ここまでほとんどの品が
当時のままにきれいに保存されていることは
あまりありません。


さすが天下の将軍様の品々ですよね。


武士の頭領としての威厳、
ご子孫の保存に対する意気込み&努力、
そして保存できるだけの財力あっての
ものでしょうね。


これからも後世に残してもらいたいものです。


そして今回は
日本の歴史を間近に感じさせてくれました。



明治位まではまだ近代なので、
自分達の歴史とつながっているようにも感じますが、
(子供達には昭和の時代も昔のようですが…^^;)
江戸時代となると
厚い壁で仕切られているような感覚です。


でも「徳川家康任征夷大将軍宣旨(せんじ)」や
「大政奉還上意書」
「大政奉還勅許写」
「徳川慶喜将軍辞職につき御沙汰書」など
日本の歴史に直接関わったものを見ると、
確かにこの世界に存在し、
歴史が流れていったことが実感できるのです。


そして、それを見学できる今の時代に生きていることに
ささやかな幸せを感じます。


ちょっとおおげさなことを
いってしまいましたが、つまりは
「大いに見る価値はありますよ」

ということが言いたかったのです。


どうぞ興味がある方は行ってみて下さいね。
ちなみに見学の際には入場口で貸し出している
「音声ガイド」を利用するといいですよ。


有料(500円)なのですが 
展示の解説文には書いていないことも
聞くことができます。(イメージ音楽入り^^)


メインの展示品だけのガイドではありますが、
解説を聞きながら品物を見ると
よりその品が目に焼きつき 
鮮明に記憶に残ります。


しかもボタンひとつで
何度も同じ説明が聞けますしね^^


ルンちゃんは以前、
この音声ガイドを使用してから
その良さに気づいたので、
それ以来、利用するようになりました。
よろしければ一度試してみてくださいね。


長くなりましたが、
これで「大徳川展」レポートは終了です。
読んで頂いてありがとうございました。
次回からまた新選組記事になりますので、
また遊びに来てくださいね。

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2007年10月29日

「大徳川展」レポート 〜その3〜


「姫君のみやび」
こちらが「大徳川展」の三つめのテーマです。


こちらには「婚礼調度」、
つまり嫁入り道具がメインに展示され、
往時の華やかな婚礼の様子を
思い描くことができます。


まず目に入ってくるのが立派な乗物
「竹葵牡丹紋散蒔絵女乗物」
です。
徳川綱吉に嫁いだ鷹司信子(従姫)所用と
伝わる女乗物です。


よく時代劇で見るお姫様の乗物ですね。
人や小物が入ると内部は狭く感じますが、
何もないと結構広く感じますよ。


さすが女性の乗物なので、
内部にも絵がほどこされ
長旅の慰めになっています。


外側は金と青金の平蒔絵、そして竹と、
両家の紋模様の「葵と牡丹」が
全体にほどこされ、
婚礼は家と家とのつながりであることを
実感させるものとなっています。


「婚礼調度」は化粧道具や文具、
飲食器、遊戯具など
生活のほとんどすべてのものを
たずさえてくるので、
その品は数百種類にもおよぶそうですよ。


でもその品々は親戚に受け継がれたり、
形見になったり、
特に幕末期には
財政困難で使いまわされることも
多かったみたいです。

ですから調度品すべてが
現存しているわけではありません。


それでも今回は
多くの姫君の雅やかな調度品が
展示されています。


私が惹かれた品は、
「葵紋松竹唐草蒔絵婚礼調度」
です。
鏡台、たらい、湯桶など
かなりきちんと残っていました。


しかもこの調度品には、
これと同じ形の雛道具が(つまりミニチュアね^^)
これもきちんと残っているのです。

それは見事に複製され、
当時の職人の技術の高さを
感じずにはいられません。


ここまで婚礼調度と雛道具が
共に残されているものはないそうなので、
是非見比べて欲しいところです。
(私は結構じっくり見てしまいました)


さて最後は幕末関連です^^



まず天璋院(篤姫)所用の
「萌黄地葵唐草筥牡丹文二陪織小袿」
(もえぎじあおいからくさはこぼたん
   もんふたえおりこうちぎ)



篤姫様は緑色がお好きだったのでしょうか?
緑地に萌黄の葵唐草、そして紫の筥牡丹が
規則正しく配置された着物です。


そのはっきりとした地と柄のコントラストは
しっかりとした意志をお持ちの
篤姫様にとてもお似合いですね。


そして静寛院宮(和宮)の品々が並びます。
婚礼調度、打掛等 数多く展示され
これも圧巻なのですが、
私が以前からとても見たかった品が
ありましたよ。


それが「空蝉の袈裟」です。
「家茂のみやげの西陣織」
といえば
あなたもおわかりになるのではありませんか?


14代将軍家茂が征長のため西国に出陣する際、
和宮が凱旋みやげとして望んだ「西陣織」です。
しかし家茂は途中で急死し、形見として
この西陣織が和宮に届くのです。


宮は
「空蝉の唐織り衣なにかせん あやも錦も君ありてこそ」

の和歌を添えて、この西陣織を増上寺に奉納し、
袈裟に仕立てて家茂の追善法要に用いたそうです。


金糸の入ったまばゆいばかりの西陣織ですが、
華やかであればあるほど家茂の思い、
和宮の思いが察せられ、胸が締め付けらます。


この「空蝉の袈裟」ですべての展示が終わりますが、
あなたはお気づきになりましたか?


一番最初に目に入った「金扇馬印」は家茂ゆかりの品、
そして最後は和宮の品で終わるのです。

意図した演出かはわかりませんが
よくできていると思いませんか。


それだけで私の中では「大徳川展」に
大きな拍手を送りたいです。


そして感想ですが、
長くなりそうなので次回にします。
ひっぱってすみません^^;
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2007年10月27日

「大徳川展」レポート 〜その2〜


今日も「大徳川展」レポの続きです。
「格式の美」がふたつ目のテーマです。



戦乱から泰平の世に移り、武家社会も、
より格式を重んじるようになりました。
それは武具だけでなく、
茶道具や絵画にもおよびます。


将軍が大名の屋敷を公式訪問する
「御成(おなり)」にも
もてなしの茶の湯、演能などが設けられ、
将軍と大名との主従関係を
認識させる意味合いの中にも、
たくさんの「武家の美」が生まれたのです。


ルンちゃんの興味は
主に幕末関係資料と刀類なのですが、
人によって興味の対象は違いますよね。
でもいろいろな種類の展示があるのが
今回の「大徳川展」なので、
個々の要求を充分満たしてくれると思いますよ^^


「お茶」に精通している方なら
こちらのコーナーに惹かれるのでしょうね。
展示されている茶器はそれぞれが名器、
そしていわくつき(?)です。


例えば
「漢作肩衝(かたつき)茶入れ ー銘 新田ー」は
天下の三名物といわれた品で、
織田信長も一時手にしています。


本能寺の変後、大友宗麟、豊臣秀吉の手に渡り、
大阪城落城で行方不明となりましたが、
家康の命を受けた藤重藤元、藤厳父子が
焼け跡の中から探し出しだしました。


その際一部破損していたのを
痕がわからないように修復し、
家康に献上したのです。


高さ8.6センチの小さい器なのですけどね。
器に対する「執着」は
いったいなんだったのでしょう?
いろいろ考えさせられるのです。
この新田は、10/10〜11/4までの公開です。


源氏物語に興味を持つ方も多いと思いますが、
そんな方には源氏物語(河内本)は必見ですよ。
現存最古の「源氏物語」の完本だそうです。



これも金沢文庫から足利、豊臣を経て家康へ。
そして尾張家初代義直に譲られ、
側室貞松院へと移りました。


本もさることながら、
金蒔絵の書物箪笥が見事な品です。
当時の贅沢がわかりますね。
庶民の生活とは雲泥の差です。


源氏物語絵巻も入れ替え制で
私が見たのは「柏木」でしたが
平安時代に書かれた絵を
直接見ることができたのはう
れしいことですよね。
(確か11/4まで、
 また違う段の展示になります)


他にも多数ありますが、
主な展示は殿様の所持品ですので、
華やかなうちにも「わび・さび」が感じられ
なかなかよかったですよ。


でも三つ目のテーマでは
それはまばゆいばかりの品々が並びます。
最後にこれを持ってくるとは
憎いばかりの演出ですよね。


それはまた次回。
すいません、また続きます^^;

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